日本ヴェーダーンタ協会50周年祝賀記念行事
日本ヴェーダーンタ協会は1959年5月に創設された

日本ヴェーダーンタ協会
(ラーマクリシュナ・ミッション日本支部)50周年祝賀記念行事
(2009年5月〜2010年5月)
日本ヴェーダーンタ協会の略歴
当協会はラーマクリシュナ僧団の日本の支部です。同僧団は霊性の、そして社会奉仕のための世界的組織で、1897年、スワーミー・ヴィヴェーカーナンダ(1863~1902年)によって創設され、本部はインドにあります。
スワーミー・ヴィヴェーカーナンダは1893年、シカゴでの第1回万国宗教会議において宗教の調和を説いた演説により、西洋で著名になりました。以来、西洋とインドでヴェーダーンタ哲学と普遍主義についての講演を行い、大勢の人を啓蒙しました。マハトマ・ガンジーや詩人ラビンドラナート・タゴール、政治家ジャワハルラール・ネルー、自由のための戦士スバス・チャンドラ・ボース、タタ財閥、鉄鋼会社、自動車会社の創始者ジャムセットジ・タタをはじめ、同時代のインドの多くの偉人がスワーミー・ヴィヴェーカーナンダに影響を受けたと述べています。また、スワーミーはアメリカの慈善家ジョン・D・ロックフェラーと科学者のニコラ・テスラ、ロシアの小説家レフ・トルストイ、ノーベル賞を受賞しヴィヴェーカーナンダの古典的な伝記を書いたフランスのロマン・ロランなど西洋の著名人にも影響を与えました。
スワーミー・ヴィヴェーカーナンダは日本とも特別な関わりがあります。シカゴの宗教会議に行く途中この国に立ち寄り、1893年7月に約3週間滞在したのです。スワミはこの滞在中に見聞したものを称賛しています。日本国民の愛国心、勤勉、倫理観、美的センスなどに着目し、その資質が優れていると褒め称えたのです。このことは横浜から出された7月13日付の手紙に書かれています。
著名な日本人美術史家、岡倉天心は、スワーミーの熱心な信者で客員美術学生であったジョセフィン・マックロードを通じて、スワーミー・ヴィヴェーカーナンダの著書に出会いました。天心は後日、カルカッタ近くの新しいラーマクリシュナ僧院とミッション本部を訪れ、日本を再訪し、ヒンドゥ教についての講演をしてもらえるよう、スワーミー・ヴィヴェーカーナンダに懇願しました。しかし健康が悪化したため、スワーミーは再び日本の地を踏むことはできませんでした。
同じような招待が、意外なところからも舞い込んでいました。それは明治天皇である睦仁天皇に他なりませんでした。この招待についての詳しいいきさつは分かりませんが、カルカッタ(英領インドの当時の首都)の日本領事館の領事が1902年初めに、天皇の勅令によりミッション本部を訪れ、スワーミーを日本に招待したと記録に残っています。しかし健康を害されていた為、スワーミーはこの名誉ある招待も受けることはできませんでした。
スワーミー・ヴィヴェーカーナンダのメッセージは今日でも当を得たものです。それは著名な思想家、宗教指導者、政治家が、今なおスワーミーのメッセージについて言及しているという事実からも分かります。例えば2007年8月、当時の首相である安倍晋三がインドの国会の特別合同会議で行った講演の中で、スワーミー・ヴィヴェーカーナンダの見解を引用しています。それはスワーミーがかつて議会で演説したもので、さまざまなことが起きる今日の世界にあっては調和が必要不可欠であるというものでした。スワーミーの人柄、その啓蒙的なメッセージは偉大で普遍的なものであり、インド政府は1月12日のスワーミーの誕生日を、「青年の日」としました。それはインドの若者にスワーミーを理想的な英雄として提示するためだったのです。
日本ヴェーダーンタ協会は日本やインドの知識人、支援者、インド大使が見守る中、ニューヨークのラーマクリシュナ・ヴィヴェーカーナンダ・センター長、スワーミー・ニキラーナンダによって、1959年5月2日に正式に開設されました。そして1984年にラーマクリシュナ僧院によって正式に承認され、同年6月に第1代目の常駐僧として、スワーミー・シッダールターナンダが派遣されました。
開設以来この50年間、協会は講演、瞑想訓練、歌、賛歌、書籍及び雑誌の出版、預言者たちの生誕記念祭、ヨーガ教室、個別相談等、さまざまな霊的かつ文化的プログラムを通じて、ヴェーダーンタ、ラーマクリシュナ、ヴィヴェーカーナンダのすばらしいメッセージを説き、実践してまいりました。協会の信者、友人、支援者の方々のご協力とご尽力には深く感謝しております。無私の奉仕の重要性と、宗教的調和と霊性の価値のメッセージは、この国のあらゆる分野の人々に認められつつあります。
このようにインドの文化と哲学を日本に広め、かつ日印交流を推進するという当協会の特別な役割は、インド大使館を通して、協会の活動の為の長期にわたる多大な経済的援助という形で、インド政府によって支持されています。
関係諸氏の積極的なご助力をもって、日本ヴェーダーンタ協会がより広く、有意義に日本国民に奉仕できますように、そしてこの先、幾年にもわたりシュリー・ラーマクリシュナの祝福がもたらされますようにという願いが、この50周年という歴史的に記念すべき節目にあっての私たちの強い希望であり、祈りであります。